Dwarf Standing on the Shoulders of Giants

If I have seen further it is only by standing on the shoulders of giants. by Issac Newton

2010年1月9日

あけましておめでたい自分

昨年末から「古典力学」の問題を考えているが、元旦に起きて早々、計算をしてみる。Hamiltonian H が保存する周期運動をする古典系において(ただし正準運動量 p は速度 v 、質量 m とすると、単純に p = mv の系)、その軌道をエネルギー E で指定する。この時周期を T とすると、
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\frac{dT}{dE}&=\frac{d}{dE}\oint\frac{dx}{\dot{x}(x;E)}\\  &=\oint dx\,\left(\frac{\pd}{\pd E}\right)_x\frac{1}{\dot{x}(x;E)}\\  &=-\oint\frac{dx}{m\dot{x}^2}\frac{\pd p(x;E)}{\pd E}\\  &=-\oint\frac{dx}{m\dot{x}^2}\frac{1}{\frac{\pd H(x,p)}{\pd p}}\\  &=-\oint\frac{dx}{m\dot{x}^2}\frac{1}{\dot{x}}\\  &=-\oint\frac{dt}{m\dot{x}^2}となる。

定理 以上の条件を満たす系において、周期はエネルギーの狭義単調減少関数である

おお、そうかそうか、新年早々定理が一つ示せて大変めでたい。

って、んなわけあるかっ! と一人ノリツッコミをしてしまったのは、めでたい気分に浸って3分後。

反例 一次元調和振動子は以上の条件を満たす系でありながら、周期はエネルギーに依存しない。

とはいえ、一目見ただけでは導出過程の欠陥は見つからない。まあ、それでもある程度当てはついて、こういう類の偏微分が出てくる問題では、どの変数が独立変数で、どの変数を固定して偏微分するかというところを勘違いしてドツボにはまるケースがほとんど。しかも今回の場合、積分のパラメタ微分ということで、経路も変わっている。その辺、どこを叩いて何が出てくるのかを慎重に洗い出さねばならない。

……とか試行錯誤して正月三ヶ日を費やしてしまった(別にこれだけやってたわけではなく、元々正月だなんだでバタバタしていてそんなに研究に時間を使っていないというのもある)が、どうやら微分絡みのゴタゴタは正しそう。「何でじゃーー」と一通りわめき散らかした後、ふと気づく。あれ、この場合パラメタ微分と積分って交換できたっけ?

物理やってる上でそんなに致命的ではないと思うが、自分はかなり数学音痴で、1年生の微積分学は厳密性を避けて通るコースを履修していたくらい。学年が上がって Lebesgue 積分も結局勉強するくらいには数学と付き合うようになったのだが、基本的にこの辺の微妙な話は苦手(消化の機構知らなくたってごちそうは食べたいし)。

しかしまあ、こういう問題にぶち当たったら好き嫌いも言っていられない。そういうわけで、帰省中なので微積分学の本も手元に持ってきておらず、東大の牛腸さんのノートなんかを参考にしながら考えてみる。平均値の定理を使うというアイデアをこのノートから拝借して、
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&\left\lvt\frac{d}{da}\int dx\,f(x;a)-\int dx\,\frac{\pd}{\pd a}f(x;a)\right\rvt\\  =&\left\lvt\lim_{h\to0}\int dx\,\frac{f(x;a+h)-f(x;a)}{h}-\int dx\,\frac{\pd}{\pd a}f(x;a)\right\rvt\\  =&\left\lvt\lim_{h\to0}\int dx\,\left[\frac{\pd}{\pd a}f(x;\th_x)-\frac{\pd}{\pd a}f(x;a)\right]\right\rvt\ (\th_x\in(0,h))\\  \le&\lim_{h\to0}h\int dx\,\left\lvt\frac{\pd^2}{\pd a^2}f(x;\eta_x)\right\rvt\ (\eta_x\in(0,\th_x))ということは、2階微分が可積分関数で抑えられれば、差がちゃんと0に収束して、微分と積分が交換可能ということか。

今考えている古典力学では、被積分関数は速度の逆数だが、これは積分の端点で発散する。ということは、速度の逆数自身は辛うじて積分が収束しても、その2階微分どころかよくよく考えれば1階微分ですらも積分が収束しないと思われる。積分と微分を入れ替えた先がそもそも存在しないのだから、交換云々と抜かせるはずがない。

そういうわけで、新春早々大変おめでたい失態をしていたわけですが、今年もよろしくお願いします。

余談だが、無限が出てくると、ナイーブに議論していてはそれこそ好き放題イカサマができてしまうわけで( ∞+1=∞ を移項して 0=1 のような)、その辺の議論が厳密にできるように理論を整備してくれた数学者はすごいと、改めて感じた。

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