YMO

Yellow Magic Oracles

2009年10月31日

差別化

民主党は「国民の生活が第一」と唱えている(本当に実践できているかは別として)。製造業派遣の禁止にはっきり現れるように、多少の経済成長は犠牲にしても国民1人1人が多少は豊かに生活できるようになるという方向だろう。一方、自民党は従来通りの均霑論というか、(多少痛みを伴っても)経済成長をすることでやがては国民全体が豊かになるという、(少なくとも短期的には)「持てる階層」にとって好ましい政策をとるよう、民主党と差別化を図っている印象を代表質問から受けた。

(個人的にどちらを支持するかは別として)これは日本の政治にとって非常によい傾向だと思う。今までは自民党内の政権交代で、この2つの間を適当に行き来してきたわけだが、国政選挙の結果が直接反映されない以上、必ずしもそれは民意を反映しているとは言い難かった。一方、今回の総選挙も無論そうだが、その前の郵政選挙も、民意を受けてこのうちどちらかの政策が支持されたと考えることができる。そして、その政策が「やり過ぎ」だと思われれば、次回の選挙で政権交代が起こるだろう。

外交・安保に関してもうだが、これと並んで経済財政政策は非常に大きな論点である。このような論点に、(それほど大きくは違わないが)方向性の異なる2つの選択肢が国民に提示され、それを選挙によって選択するというのは、今までより格段に成熟した民主主義のあり方だと思う。

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2009年10月30日

Enjoy programming

Enjoy Programmingとかいう割には、Rubyは細かいところで手が届かない。特に、イテレータは大好きで、よく使っているんだけど(C++にもさっさとLambda入らないかなあ……0xは10進法じゃなさそうだし)、ちょっとやはり物足りない。each_with_indexが入ったのも1.9でようやくだし、てかmap!とかにも実装してほしいんですけど。この類のメソッドはeach_with_indexの挙動をデフォルトにして、|item,i|のiをオプションにすればいいのに。

あと、


std::transform(
 InputIteratorBegin,
 InputIteratorEnd,
 OutputIteratorBegin,
 UnaryFunctor
);

OutputArray = InputArray.map { |x| Sentence }
とか書けるけど、

std::transform(
 InputIterator1Begin,
 InputIterator1End,
 InputIterator2Begin,
 OutputIteratorBegin,
 BinaryFunctor
);
はどうすんの? 全般的にもうちょっとこの辺関数型プログラミング的にならないかなあ。

全然話は変わるが、AWKは使えるときには超便利。しかし、たまにしか使わないから書く度に文法忘れてるので、毎回文法調べて書いてる。そしてそんなAWKをRubyから(別にperlでもPHPでもいいけど)簡単に呼び出せる``演算子はもっと超便利。

ちなみに、研究室のサーバに自動認証かけられなかったのは自分の手違いでした。

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2009年10月28日

アグネスタキオン

Adsenseの広告は自分でも面白いと思ったのをクリックすることがある(必要以上に多数回クリックするのはダメでも、自分で「超伝導入門」買いたいと思ってクリックすることは別に規約違反じゃないよね)。右のところにエネルギーという項目があるので開いてみる。すると、

タキオンエネルギーを 利用するための製品販売
www2u.biglobe.ne.jp/~ocean/
ん?

好奇心に負けてクリックしてしまう。

量子物理学によると、この物質的な宇宙はエネルギーの非常に凝縮された形状(フォーム)以外の何者でもないと 理解されています。 この宇宙の中に存在する全てのもの(最も微妙で、活性化した組織帯の純化した領域から、全体、物資の最も凝縮された領域まで)は、全てエネルギーの連続体の中で一列に並んでいます。
エネルギー連続体を通って流れているエネルギーは、1つの源泉から来ます。インドでは、それは神母と呼ばれます。キリスト教はそれを聖霊と呼び、多くの現代的な、ニューエイジの教えにおいて、それは宇宙エネルギーと呼ばれます。現代の物理学はそれをゼロポイントエネルギーまたは自由エネルギーと呼びます。
(出典:「タキオンとは何ですか?」http://www2u.biglobe.ne.jp/~ocean/tachyon/productnote/whattachyon.htm)
えええええ!!! それどこの物理学だよ! 一応物理学では零点エネルギー(Zero-point energy)や自由エネルギーというタームがあって、ちゃんとした定義が与えられてるけど、そもそもこの2つは全然違う意味だし、ましてや「エネルギー連続体を通って流れているエネルギー」の源泉とか、何がなんだか。

まあこのサイト読んでる人はこんなのに騙されるわけないけど、こういう商売が罷り通る世の中ってどうなのよ。タキオンは馬だけで結構。

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2009年10月25日

等重率の原理とエルゴード仮説

田崎さんの『統計力学』について、こんなレスを見つける。

田崎さんは 「系がマクロになると、許される状態のほとんど全てがほとんど区別できない」 を公理にして「マクロな系が平衡状態に緩和する」を導出してたが、 そこで暗に等重率の原理のようなものを使っている気がするんだけど・・

「あれ、田崎さんの本に緩和なんてブッ飛んだこと書いてあったっけ?」と思って久しぶりにIの方を開いてみる……確かに書いてあるな。

考えてみても、この指摘の本質は全く正しいように思う。筆者は平衡状態について

平衡状態についての基本的な仮定:ある系での(熱力学でいうところの)平衡状態の様々な性質は,対応する「許される量子状態」の中の「典型的な状態」が共通にもっている性質に他ならない。
(田崎晴明『統計力学I』培風館 初版p85)
と特徴づけているが、これに基づき非平衡からの緩和を
次に平衡状態への緩和の問題を考えよう。(中略)こういった非平衡状態も,エネルギーがほぼUである限りは,やはり「許される量子状態」の中に含まれている(脚注:このような非平衡状態に対応するのは,ほとんどの場合,エネルギー固有状態ではなく,複数のエネルギー固有状態の重ね合わせになると考えられる)。しかし,これは典型的な状態ではあり得ないから,ごく少数の例外的な状態の一つである。(中略)そこから出発して,系が時間発展したとき,特別な事情がないかぎりは,系の状態はごくごく小さな例外的な領域から外に出て,典型的な領域に入っていくと期待される(脚注:例外的な状態を作るには,複数のエネルギー固有状態を絶妙の係数をかけて足し合わせる必要があると考えられる。系がシュレディンガー方程式に従って時間発展すると,各々のエネルギー固有状態の位相が変化し,絶妙の重ね合わせは失われていくはずだ。)。
(引用元同上pp86-87、強調はこのサイトの筆者)
と議論している。「期待される」「はずだ」ってのは、あくまで仮定だ。もちろん、実験事実と照合することで正当化されている仮定ではあるけど、著者がこの前に置いている唯一の統計力学的仮定(もう一つ仮定があるが、それは前述の「平衡状態についての基本的な仮定」であくまで平衡系に限った話)
マクロな系の基本的性質:マクロな量子系では,ある平衡状態に対応する「許される量子状態」のほとんど全てが(マクロな物理量の測定値で比較されるかぎり)ほとんど区別できない。
(引用元同上p85)
から導かれるものでは、全くないように思える。

この「マクロな系の基本的性質」は、これを認めることで等重率の原理がエルゴード仮説を仮定することなく自然に導入され、それに立脚して統計力学の議論を進めることができたという点で、(著者はこの様な論理展開は明文化されているにせよいないにせよ真新しいことではないとしているが、少なくともはっきり第一原理として明文化したことについては)この書籍の極めて非凡なところだと思う。しかし、これによって説明されるのは、理論の中に「時間」という変数が全く入ってこない平衡統計力学だけであって、それを平衡統計力学の範疇外である緩和の説明にも使おうとしたのは、ちょっと勇み足ではなかろうか。

「例外的な量子状態」から出発して時間発展したときに、未来永劫「例外」に留まりつづけるかもしれないし(「許される量子状態」全体の空間から「例外的な量子状態」全体の部分空間を抜き出したとき、その部分空間は時間発展に対して不変かもしれない!)、そこまでしなくても、「典型的な量子状態」から出発した時より極めて高頻度に「例外的な量子状態」を訪れ続けるかもしれない。こういう事態を防ぐためには、新たな仮定

「任意の(あるいは、「例外的な量子状態」の中のさらに例外を除いたほとんどの)初期条件を選んで系を時間発展させることで得られる状態のほとんどは『典型的』である。」
を加えないといけない。清水さんの方の草稿には、「強いエルゴード仮説」として、これに似た(もっと強い)仮定が紹介されている(一般的なエルゴード仮説とは異なり、対象を巨視的変数に限定しているが)。しかし、清水さんもその草稿で言及しているが、これじゃあ「非平衡状態は平衡状態に緩和する」という仮説を、大して変わらない別の仮説を使って言い換えただけに見えてきてしまって、ほとんど旨味はない。

こういうことに関してなかなか深く考える機会はないが、平衡統計力学の基礎付けすら難しいのであるから、況んや本質的に非平衡である緩和過程をやと思った。そして、田崎さんの本はそれでもやっぱりいい本だなあと思った(熱力学の方はHelmholtzエネルギーから入るところがエントロピーから入る佐々さん・清水さんと比べてあんまり好きではないんだけど……でもあっちも網羅的だし、いい本)。

追記。田崎さん本人のコメント(これ以下)で、この批判は誤読だと指摘されています。ぜひご一読ください。

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Log

このサイトのログを見るのが楽しい。アクセス解析された結果を見るのもいいが、やっぱり一番面白いのは生ログ。こんなこと書いてるとストーカーじみてるように思われるかもしれないけど。

おそらく知人と思しきログや、熱力学・統計力学の記事に関して検索してきたログ(うちを含んだ大学からのアクセスが多い)が多い。中には教科書とか書いている偉い先生かもしれないログも(でも、他のページ見ずにすぐ帰ってるから別人かもしれない)。

OSはやっぱりWindowsが多いけど、Macもそこそこいる。Linux使ってるのは自分くらいかと思ってたら、どうやら他にもLinuxの閲覧があった。ブラウザはWindowsはIEが多い(あんなブラウザ、よく使う気になれるなと思うけど)が、2番手はChrome、意外。その後にFirefox。なんと懐かしきネスケのログもあった。MacユーザはSaafriとFirefoxが大体同数。

ちなみに、Adsenseのクリック数は0。まあ、別に期待なんか最初からしていないが、それにしてももう少し物理関係の広告だしてほしいな。

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2009年10月19日

確率微分方程式

化学反応のモデルとして次の師匠との面会までにLangevin方程式を解くことになっている。そんなの余裕だろと思っていたら、先日の面会では「罠があるよ」と言われた。いざコードを書こうと思ったら、4次のRunge-Kuttaではランダム力を単純に外力として入れるわけにいかないことくらいはすぐ気付く。

4次のRunge-Kuttaは関数を4回使うからランダム力をどうやって入れたらいいのか分からないのであって、単純なEuler法なら行ける気がするけどなあ……と思いながら、でも確率微分方程式の数値解法は今後も頻繁にお世話になると思われるので、Runge-Kuttaの単純な拡張があるのかとりあえずGoogleで検索かけてみる。そうすると、どうも既に「終わった」話題ではなさそうで、不安定性とかそういうキーワードがすぐに目につく。そりゃそうか、Fokker-Planckが不安定性生じる可能性あるなら、当然Langevinでも不安定性が生じていいよな。

普通の常微分方程式なんてのは、4次のRunge-Kuttaなる万能解法があるわけで、保存量を離散化させても保存させたいからシンプレクティック解法使うとか、まあそういう特殊な事情がなければこれ以外を使う必要はない。一方、偏微分方程式はちょっと気を抜くとすぐに解が発散するから、方程式に応じて適切な解法を考える必要がある。Fokker-Planckも、そのものを解いたことはないが、過去に反応拡散解いたときはえらい苦労させられた。確率微分方程式は、形の上では常微分方程式なので前者のクラスに属するかと思ったら、偏微分方程式同様、方程式ごとに解法考えないといかんという理解でいいのかなあ。まあ、LangevinとFokker-Planckは等価だから、多分そうなんだろうなあ。

でもとりあえず、まずは深いことを考えずに(とりあえず誤差評価だけは予めしておくけど)Euler法を回してみよう。対応するFokker-Planckも回して、結果を比較した法がいいかもしれない。

今まで特に何も考えず、Fokker-Planckと例のドリフトのある拡散方程式のことを言っていたけど、このPlanckって、かのMax Planckのことか。今日まで気付かなかった。やっぱり物理学会の大巨人だなあ。化学反応の話を師匠としたとき、師匠は物理の観点からArrheniusを導出したのはKramersと言っていたが、彼もKramers-KronigとかWentzel-Kramers-Brillouinとか、大はつかないまでも巨人。BrillouinもWKBだけじゃなくBrillouinゾーンとかに名を残している。とか、こんなことを考えていると、自分もすっかり物理オタクになったもんだなあと感慨深い。太田先生には足元にも及ばないが。

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2009年10月16日

研究テーマ

昨日は、研究室セミナー(自己紹介)と歓迎会があった。自己紹介(研究の概要紹介)はさすがによく分からない。歓迎会ではとある大先生の武勇伝(研究室でキレて醤油ブチまけたとか)が聞けた。ほかにも「あの人は一時期株にはまってた」とか「この人は偏見が強いからなあ」とか。M1の先輩によると熊本ラーメン(今年度秋の物理学会は物性は熊本)はまずかったらしい。

今日は師匠と面談して、研究テーマ決め。5つ考えてこいとの難題で、2つは内容を詰められたが3つは苦し紛れ。結局苦し紛れな方の3つは捨てて、残り2つの、反応速度論を非平衡から真面目にやるか、超流動(超伝導)の輸送係数の消失を非平衡で真面目に出すかというところに決定。まずはこの2本立てでやってみて、あとで絞ろうという話に。

とりあえず、今日は疲れたから自分の手は動かさずにまずは勉強。現象論としてGinzburg-Landau理論を調べてみる。巨視的波動関数って何じゃ一体。まずは現象論を抑えて、次に先学期聴いた院の講義(最後フェードアウトしてしまったけど)にも出てきたBCS理論、Bogoliubov理論で平衡統計力学の範疇の理解をしなきゃ。あと、線型応答も極めて怪しいので、応答係数と時間相関関数の関係とかKubo公式の導出あたりは土日にやっといた方がいいかもしれない。

そんなこと考えてると気が滅入ってくるので、研究室のサーバの設定もしてみようと思い、まずはSSHでログイン。authorized_key2をSCPで送ってみる。しかし、一向にパスワードの入力がサボれない。これはひょっとするとRSA認証を許可してないのか? 今度管理してる先輩に会ったら聞いてみよう。それにしても、SFTPが使えないようだ。これは、テキストファイルのちょっとした編集をするのにはEmacs(かvi)を使うしかなさそう。Emacsはあのキーバインドにどうしても慣れないので、今まではgEdit使ってたけど、さすがにそろそろ宗旨変えが必要かなあ。気が乗らないなあ。

今日の講義の名言。「Kramers-Kronig関係式の導出には因果律しか使ってないので、どれだけ強い非平衡であっても、例えば生物をどついてもその応答はKramers-Kronig関係式が成立する」

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2009年10月12日

平均場近似と擬似自由エネルギー

例えばIsing模型の平均場近似では(実際にやったのは格子気体だけど、簡単のためIsingで記載) Y=\cosh^n\bt(zJ\lag s\rag+\mu_0 H)となるわけだけど(zは隣接サイト数、Jは結合強度)、これの対数とって自由エネルギーG=F-HMを求めて、それをHで微分してmに関するself-consistent m=\tanh^n\bt(zJm+\mu_0 H)と持ち込もうと思ったら(M=mN)、師匠から「<s>はβとHの関数でしょ、それもちゃんと微分しないとダメじゃん」という趣旨のツッコミを受け、ホワイトボードの前で大混乱する。

結局その時は、師匠の助け船で、「分配関数(この場合は平均場近似により事実上一体問題に帰着できたので、「一粒子」分配関数で良い)でBoltzmann因子を除したものが確率だから、それを使って直接平均値を出せば良い」ということで事なきを得た。ついでに「下手に熱力学を使うと混乱するから使うな」とも言われ、「平均場が分かっていない」と叱責(語調はそうではなかったけど、後々のためにそういうこととして捉えておくことにする)を受けた。

しかし、例えば長距離相互作用模型では平均場と全く結果は同じになるはずだから、統計力学的確率分布が使えて熱力学が使えないはずがない気がする。そういうわけで、相転移・平均場近似のあたりを復習してみると、ここで求めたGは自由エネルギーではなく、「擬似自由エネルギー」というやつかと気付く(というか田崎さんの本に書いてある)。これはG(N,β,H)と捉えるべきではなく、G'(N,M,β,H)と捉えるべき関数なのか。真の自由エネルギーはLegendre変換G(N,\bt,H)=\min_M G'(N,\bt,H,M)によって求められ、self-consistent方程式を解くことがGを最小にするMを求めている操作に他ならないことに気付いた。

似たようなところで混乱する人はきっといるはずなので、記録を残しておくことにする。(といっても、好き放題書き散らかした文章なので、下手したらこれ読んで余計混乱する人がいるかも……あらかじめ、不十分な理解により誤りもしくはミスリーディングな部分が含まれている可能性があると予防線は張っておく)

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2009年10月10日

無明の酒の酔い心

大学で薪能をやるというので、見てきた。演目は狂言「萩大名」能楽「紅葉狩」。狂言はともかく、能楽はほとんど詞章が聞き取れないので、外国語のオペラみたいなものだと思って舞と囃子を楽しむ。

最初に教授の解説があって、「紅葉狩は世阿弥のような幽玄を追求したのみの作品ではなく、エンターテイメント性も重視しており、その点歌舞伎に通ずるところがある」とあったが、納得。女の裳束を羽織った鬼が一気にそれを脱ぐ演出とか、確かに圧巻で、こういう演出が歌舞伎の外連に繋がっていくのだろうと実感。能楽と歌舞伎は対照的な芸能だとか見たことない人に説明される風潮があるけど。

それにしても、ちょっと音響が微妙だったな。台詞、地謡、囃子全部をピンマイクか何かで拾ってスピーカーから流してたけど、臨場感が激減。まあ、そうでもしないと聞こえないんだろうけど。ミュージカルとかでも、ソロになるとマイクを使うときとかあるけど、ああいうの大嫌い。役者のいるところから声が聞こえてくってのが、一つ生の舞台の臨場感を演出してると思うんだが、どこに誰がいようと一切関係なく全部ミキシングして同じスピーカーから流すってのは、はっきり言って興ざめ。

以下、全くどうでもいい感想だけど、普通現代の芝居(無論ルーツは西洋演劇)って、例えばスタッフなんかが見切れるのを極端に嫌うけど、例えば能楽の後見とか、歌舞伎の黒子なんてのは、彼らの衣裳を「舞台上に見えないものとする」という記号として、堂々と舞台上に上がってくるんだよね。現代演劇の常識で考えたら新鮮だったけど、実は歴史的に演劇一般とかだとそっちの方が主流だったりするんだろうか。

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2009年10月7日

2009 Chemistry Laureates

Venkatraman Ramakrishnan (United Kingdom)
Thomas A. Steitz (USA)
Ada E. Yonath (Israel)
for studies of the structure and function of the ribosome
The Nobel Prize in Chemistry 2009

まさかリボソームとか、二年連続分子生物学から来るとは思ってなかった。納得の研究ではあるけど。スタイツは昨年にワトソンと一緒にうちの大学講演に来てたね。

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2009年10月6日

2009 Physics Laureates

Charles K. Kao(China and United Kingdom)
for groundbreaking achievements concerning the transmission of light in fibers for optical communication
Willard S. Boyle(USA)
George E. Smith(USA)
for the invention of an imaging semiconductor circuit – the CCD sensor
The Nobel Prize in Physics 2009

光ファイバーとCCDか。昨年は基礎物理がきたから今年は工学寄りかと思ってたけど、ウェブ社会の発展に大きく貢献した光ファイバー、生物物理にも使われてるCCD。納得の選出。日本では西澤が外れたとか、これから言われるんだろうなあ。

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2009年10月5日

2009 Physiology or Medicine Laureates

Elizabeth H. Blackburn(USA)
Carol W. Greider(USA)
Jack W. Szostak(USA)
for the discovery of how chromosomes are protected by telomeres and the enzyme telomerase
The Nobel Prize in Physiology or Medicine 2009

ということで、ようやくテロメアに来たね。テロメラーゼの阻害とか、これからの応用に期待。TTAGGGTTAGGGTTAGGGTTAGGGTTAGGGTTAGGGTTAGGGTTAGGGTTAGGGTTAGGGTTAGGGTTAGGGTTAGGGTTAGGGTTAGGGTTAGGGTTAGGGTTAGGGTTAGGGTTAGGGTTAGGGTTAGGGTTAGGGTTAGGGTTAGGGTTAGGGTTAGGGTTAGGGTTAGGGTTAGGGTTAGGGTTAGGGTTAGGGTTAGGGTTAGGGTTAGGGTTAGGGTTAGGGTTAGGGT

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続・熱力学ポテンシャル

昨日の書き忘れ。要するにもっとも一般的な形式だと、エントロピーの自然な変数が S(X_0,\dotsc,X_n)で表されるような時、これに共役な示強変数 B_n:=\frac{\pd S}{\pd X_n}が定義できて、熱力学ポテンシャルも \Ph_{i_1,\dotsc,i_k}:=S-\sum_j B_{i_j}X_{i_j}と定義できる。この時、統計力学的にはこの熱力学ポテンシャルは次に定義される分配関数を使って \Ph_{i_1,\dotsc,i_k}&=k_B\log\Om_{i_1,\dotsc,i_k}\\\Om_{i_1,\dotsc,i_k}&:=\sum_{\{\Gm\}}\exp\left(-\sum_{j=1}^k B_{i_j}X_{i_j}\right)と表される。ここでΓは固定された示量変数(つまりX_{i_1},...,X_{i_k}以外)において許容されるミクロな物理量の組み合わせ。ちなみに、書いてある教科書を見たことがないのであまり意識されにくいが、 S&=k_B\log W\\W&=\sum_{\{\Gm\}}1と状態数が表現できることは驚いてよいと思う。ま、清水先生の教科書に書かれることだろうけど。

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2009年10月4日

熱力学ポテンシャル

昨日は師匠と面会。J=-PVをすっかり忘れていた、不覚。Gibbs-Duhemの関係式は美しいなあ。

そんなことより、熱力学ポテンシャルはいくつか種類があるわけだけど、 U&\\  H&=U+PV\\  F&=U-TS=-\frac{1}{\bt}\log Z\\  G&=U-TS+PV=-\frac{1}{\bt}\log Y\\  J&=U-TS-\mu N=-\frac{1}{\bt}\log\Xiエンタルピーはともかく、Helmholtzエネルギー、Gibbsエネルギー、グランドポテンシャルってのは座りが悪い。ZとΞには分配関数・大分配関数と命名されているのに、Yだけ命名がないのも何か嫌だ。あと、エンタルピーも理屈の上ではexp(-βPV)の和(積分)で書けるはず。Pだけ慣習(というか力学との整合)で符号が逆なのが気持ち悪いな。

しかし、どうもやっぱりエネルギー表示(UのLegendre変換)は表式が汚い。分配関数の対数の符号なんかもそうだし、あるいは大分配関数の表式なんかに 現れてるけど、 \Xi=\sum_{N,i}\exp(-\bt E_{N,i}+\bt\mu N)ってのが、 \Xi=\sum_{N,i}\exp(-\bt E_{N,i}-\al N)となるだけで見た目が良くなる。このαは \bt=\frac{\pd S}{\pd U},\ \al=\frac{\pd S}{\pd N}と、非常に対称性が良い。見た目が良い記法というのは往々にして本質的である場合が多い。実際Onsagerの相反定理なんかはエントロピーの微分で定義される示強変数の輸送係数を考えるわけで。

エントロピー表示だと熱力学ポテンシャルは例えばこんな感じ? 面倒だからBoltzmann定数を取ってしまえば(ただし逆温度はβ=1/T) \Sg&=\frac{S}{k_B}\\  \Ph&=\Sg-\bt U=-\frac{F}{k_B}=\log Z\\  I&=\Sg-\bt U-\al N=-\frac{J}{k_B}=\log\Xi\\みたいに、表式がものすごく綺麗。このβとかαがそのまま熱力学的力となり、輸送係数が相反性を満たす。ここまで整理すると、熱力学関係式にも例えばMaxwell方程式に決して劣らぬ美しさがあるなあと感慨深くなるのは巨視的物理やってる人だけなのかなあ。

とりあえず、宿題は格子気体で準安定状態を出す。その日のうちに久々に二次元Ising平均場近似を計算したら、磁化を求める時に混乱した。 \sum_{\{\sg_i\}}\exp\left[-\bt\left(4J\sg_i\lag\sg\rag-\mu_0 H\sum_i\sg_i\right)\right]は実は外場付きの分配関数なので、ZではなくYの役割を果たすものと考えなければならない。ここで固定されているのは示強変数の磁場であり、カノニカル分布を使うなら固定されているのは磁化の方だ。と、物質中の電磁気学を理解していないことが露呈。でも、Zと書いてる教科書はミスリーディングだよなあ(と責任転嫁)。磁性体(or誘電体)に関して、電磁気学と熱力学双方の観点から整理してくれる教科書が欲しい。

どうでもいいけど、XREAに入ってるPHPは5.1.2なので、Nowdocが使えない。この数式はTeXで打ってるわけで、\が勝手にエスケープされると困る。そういうわけで、@を\に置換して使ってるけど、つい癖で\logとか打っちゃうなあ。PHP5.3以降インストールしてくれないかな。

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